現在、保有している倉庫が手狭になり、大型倉庫の建設を検討している方もいるでしょう。ただ、大型倉庫の建設を検討するにあたり、どれくらいの価格で建てられるのか、工期はどれくらいなのか気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は大型倉庫の建設ラッシュの背景に加え、建設費用や工期の目安を解説します。さらに、大型倉庫を建設するときに押さえておきたいポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
大型倉庫の建設ラッシュの背景
大型倉庫の建設ラッシュは、近年の物流業界の急成長や市場の変化と深く関係しています。Amazonや楽天、ヤフーショッピングなどのオンラインショッピングの利用者数が急増したことで、物流の効率化と迅速な配送の重要性が増し、大型倉庫の建設が急がれたのです。
とくに、オンラインショッピングが普及したことで、いつでもどこでも商品を購入できるようになり、配送のスピードが求められるようになりました。これに応えるため、企業は商品をより迅速に消費者の元へ届けるための拠点として、大型倉庫を必要とするようになったのです。
また、物流の効率化には、より高度な技術や設備が不可欠です。AIやロボット技術を活用した自動化倉庫が増えており、これにより作業の精度やスピードが飛躍的に向上しています。この自動化を支えるためには、大きなスペースを確保することが必要であり、それがさらに大型倉庫の需要を押し上げているといえるでしょう。
大型倉庫の種類
ひとえに大型倉庫といっても、さまざまな種類があります。ここでは、大型倉庫の種類として、「テント倉庫」「プレハブ倉庫」「在来工法倉庫」「システム建築倉庫」「木造倉庫」の5種類について詳しく見ていきましょう。
テント倉庫
テント倉庫は、文字通りテントのような構造を持つ倉庫です。テント倉庫の最大の特徴ともいえるのが、短工期である点です。テント倉庫は、鉄・金属製のフレームに耐候性のある膜状の素材を張った構造をしており、建設にかかる時間が大幅に短縮されます。
また、倉庫自体が軽量であり、土台や基礎工事を最小限に抑えることができるため、コスト面でもメリットがある選択肢といえるでしょう。さらに、テント倉庫は空間の自由度が高く、内部のレイアウトを変更しやすいという点も特徴です。
ただ、一定の耐久性はあるものの、テント部分の生地が劣化しやすく、定期的に張り替えなければなりません。また、台風などの自然災害によってテント生地が破れてしまうことがあり、そのたびに補修工程が発生することを留意しておかなければなりません。
プレハブ倉庫
プレハブ倉庫とは、工場であらかじめ部品を製造しておき、現地で組み立てる工法の倉庫のことです。現地で組み立てるだけなので、比較的短工期で建設できるのがプレハブ倉庫の特徴です。
さらに、建設後に人員や事業規模に合わせて増改築しやすいのもプレハブ倉庫の魅力といえるでしょう。
ただ、基本的にプレハブ倉庫は規格品なので、サイズやデザインに自由度が低いケースがほとんどです。そのため、企業の特色を全面的に出したい場合や、意匠性を重視したい場合には不向きといえるでしょう。
とはいえ、テント倉庫と同様に短工期で建てられることから、できるだけ早く倉庫が必要といった場合は魅力的です。
在来工法倉庫
在来工法の倉庫は、現場で一から組み立てていく工法です。一般的な戸建て住宅と同じように梁や柱があり、注文住宅のように自由に設計できるのが魅力といえるでしょう。
在来工法の倉庫では、内装材や外装材を自由に選ぶことができ、耐久性の高い建材を選ぶことで、工場そのものの寿命を延ばすことが可能です。また、事業規模に合わせてあとから増改築できます。
ただ、テント倉庫やプレハブ倉庫よりも、建設期間が長い点がデメリットとして挙げられます。在来工法の倉庫は、現地で組み立てていくのでどうしても時間がかかってしまいます。
さらに、事業内容や要望に合わせて設計していくので、設計や仕様決定にも時間がかかってしまうことが一般的です。したがって、打ち合わせから完成までに半年以上かかるケースも珍しくありません。
施工には時間がかかることが多いですが、その分高い耐久性を誇ります。とくに、耐火性や防音性に優れている点も大きな魅力といえるでしょう。
倉庫の周辺環境や業務内容に応じて、最適な設計を選ぶことができるため、安定した物流拠点として稼働させることができます。
そのほか、在来工法の倉庫は、長期的にはコストパフォーマンスにも優れています。建設にかかる費用は、プレハブ倉庫やテント倉庫よりも高めではありますが、長期間にわたって使用できるため、トータルコストを抑えられる可能性があります。
システム建築倉庫
システム建築の倉庫とは、工場であらかじめ製造された部材を現地で組み立てる方式で建設される倉庫のことです。システム建築に使われる部材は標準化されていることから、工期を短くすることができ、さらに費用を抑えられるのが特徴です。
そのほか、システム建築の倉庫は軽量でありながら高い耐久性を持つ点も魅力のひとつといえるでしょう。
ただ、建材が標準化されているので、カスタマイズできる範囲が小さく、シンプルな設計になってしまいます。そのため、意匠性の高いデザインや、企業にあったオーダーメイドの設計などには対応できず、業種によっては不向きな倉庫ともいえるでしょう。
とはいえ、設計から建設までの工程がシステム化されているので、短納期かつ低価格で建設できるのが魅力的です。
木造倉庫
木造倉庫は、文字通り木材を主要な建材として作られた倉庫です。木造倉庫は、一般的に軽量で自然な風合いが特徴的であり、物流拠点として使用できるほか、農業関係など、さまざまな用途で使用できます。
木造倉庫の大きな利点のひとつとして挙げられるのが経済的であることです。一般的な鉄骨造倉庫の場合、1坪あたり54.5万円ほどかかることが多いでしょう。しかし、HC.Home’sの木造倉庫であれば、1坪あたり25万円から建設できます。
さらに、税務上の耐用年数が鉄骨造倉庫よりも短いので、短期間で減価償却年数でき、節税メリットも期待できます。
そのほか、企業のイメージアップにもつながるのも木造倉庫の魅力といえるでしょう。というのも、木造倉庫は再生可能な資源である木材を主要建材として使用しており、環境に配慮していることを対外的にアピールできるのです。
比較的リーズナブルな価格で建てられるほか、意匠性の高い設計・デザインにも対応しているので、ほかの工法と併せて検討することをおすすめします。
大型倉庫の建設にかかる費用の目安は?
大型倉庫の建設にかかる費用は、さまざまな要因によって大きく異なります。たとえば、倉庫の規模です。倉庫の広さや高さ、設計の複雑さなどによって、建設コストが大きく変わります。
1,000㎡以上の大型倉庫や、多層の構造を持つ倉庫では、基礎工事や設備が増え、さらに工期も長くなるので建設コストも高くなります。
また、使用する建材や工法によっても建設コストが異なることが一般的です。鉄骨造やコンクリート造などの工法は、建材費や施工費が高くなる傾向があります。とくに、高い耐震性や防火性を求める場合には、強固な材料を使用することが求められ、その分費用が増えるケースも珍しくありません。
国土交通省の発表によると、鉄骨造倉庫は1坪あたり54.5万円以上の建設費用がかかるとされています。さらに、税務上の耐用年数が31年なので、長い期間をかけて減価償却しなければならず、経費計上に時間がかかってしまいます。
一方、プレハブ倉庫やシステム建築のような工法では工場で部材を事前に製造し、現地で組み立てるので、建設期間が短縮され、その分費用を抑えることが可能です。
さらに、木造倉庫については、愛知県にあるHC.Home’sの場合、1坪あたり25万円から建設でき、一般的な鉄骨造倉庫の約半額程度で建設できるケースもあります。
なお、倉庫内に設置する設備に加え、仕様によっても、建設費用が変わることが一般的です。たとえば、冷蔵・冷凍機能が必要な倉庫や、自動倉庫などの高度な物流システムを導入する倉庫では、設備費用が高くなります。
また、電気や空調、セキュリティシステムなどのインフラ整備も費用に加算されるので、どういった仕様にするかによっても建設コストが変わることを留意しておきましょう。
大型倉庫の建設にかかる日数の目安は?
大型倉庫の建設にかかる日数は、倉庫の規模や工法によって変わります。倉庫の延床面積が大きく、複雑な設計である場合は建設に必要な日数は長くなります。
たとえば、数千平方メートルの敷地をカバーするような大型倉庫では、基礎工事、構造の組み立て、設備の設置、内装の整備など、各工程に時間がかかるため、全体で数ヶ月から半年以上かかることも珍しくありません。
さらに、使用する建材や工法の違いも日数に影響します。たとえば、鉄骨造やコンクリート造の倉庫は、現場での作業が多くなるので時間がかかります。
一方で、プレハブ倉庫やシステム建築は、工場であらかじめ部品が製造されるので、現場での作業日数を短くすることができ、結果的に建設工期を抑えられるのが特徴です。倉庫の規模によるものの、システム建築では、数週間から数ヶ月程度で建設できることも少なくありません。
ただ、天候の影響を受けるので、悪天候や自然災害によって工事が中断される場合は当初の予定よりも工期が長くなってしまう可能性があります。また、建設がおこなわれる地域によっては、資材の調達や交通アクセスの問題で工期が延びることも考えられるでしょう。
そのほか、許可申請や建設規制の関係で時間がかかることもあります。とくに、大型倉庫の場合、周辺環境への影響を最小限に抑えるために調整したり、地域の規制に基づいた設計変更が必要となるケースもあったりすることから、工事期間が長くなってしまうこともあるのです。
大型倉庫を建設するときの3つのポイント
ここでは、大型倉庫を建設するときの3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
会社の将来を見据えた計画が大切
大型倉庫を建設するときは先を見据えた計画が重要です。将来的に会社の事業を拡大していき、倉庫を大きくしていきたい場合は、増改築しやすい工法を選択することをおすすめします。
建設コストやイニシャルコストだけで判断するのではなく、長期的な計画を見据えた上で建設を依頼する業者を選定したり、工法を決めたりしましょう。
木造倉庫も視野に入れる
プレハブ倉庫やテント倉庫、システム建築倉庫など、さまざまな種類の倉庫があります。昨今は自然環境に優しく、鉄骨造倉庫よりも安い価格で建設できる木造倉庫が注目を集めています。
大型倉庫の建設を検討するうえで、それぞれの倉庫の特徴を把握して選定することが大切です。
アフターサービスを確認する
どのような倉庫であっても、定期的にメンテナンスをする必要があります。そのため、建設にかかる費用だけでなく、アフターサービスやメンテナンスコストについてもしっかりと確認することが大切です。
大型倉庫の建設に関するよくある質問
ここでは、大型倉庫の建設に関するよくある質問について見ていきましょう。
大型倉庫を建築するにはいくらかかりますか?
大型倉庫の建築費用は、エリアや立地条件に加え、倉庫の面積や工法などによって異なります。たとえば、従来の鉄骨造倉庫の場合、1坪あたり54.5万円ほどかかります。一方、木造倉庫を得意としているHC.Home’sの場合、1坪あたり25万円から大型の木造倉庫の建設が可能です。
60坪の倉庫の価格は?
立地条件や工法によって異なりますが、木造倉庫であれば1坪あたり25万円から建設可能です。もちろん仕様などによっても異なるので、詳細はHC.Home’sまでご相談ください。
大型倉庫を建築するには建築確認が必要ですか?
延床面積が200㎡以上の大型倉庫の場合、建築確認申請が必要です。
まとめ|大型倉庫の建設ならHC.Home’sへ
いかがでしたでしょうか。
今回は「大型倉庫」をテーマに、大型倉庫が建設された背景や建設費用、建設にかかる日数などを解説しました。さらに、記事の後半では、大型倉庫を建設するときに押さえておきたいポイントや、よくある質問を紹介しています。
愛知県で大型倉庫や木造倉庫の建設を検討されている方は、ぜひHC.Homesにご相談ください。